ジョージアにおける日本企業フランチャイズ展開の可能性について

近年、世界中で日本文化が広く浸透しています。世界中の人々が日本の食、コンテンツ、そして日本という国そのものに関心を持ち、日本文化を体験することへの需要がかつてないほど高まっています。

ジョージアもその例外ではありません。同国では近年、日本文化への関心が急速に高まっています。日本のお祭りを模したイベントが開催され、書店に日本語の漫画が並ぶといった光景は、10年前には予想だにしないことでした。現時点において、ジョージアで日本文化に触れることは、多くの人々にとって日常の一部になりつつあると言えるでしょう。

1. 訪日観光客データに見る需要の裏付け

では、世界の人々、そしてジョージアの人々は、具体的に日本文化のどのような要素を求めているのでしょうか。そのヒントは、訪日観光客の動向に隠されているかもしれません。

日本文化に対する需要の最も顕著な表れは、訪日観光客数の推移です。2010年代以降、訪日外客数は飛躍的に増加し、2011年の622万人から2025年には4,268万人にまで成長しました。近年では「オーバーツーリズム」が議論されるほどの盛況ぶりですが、この急増の背景には、日本文化のグローバルな浸透があると考えられます。

図1. 訪日外国人旅行者数・出国日本人数の推移(観光庁)

観光客が日本に何を期待しているかについては、観光庁の「訪日外国人消費動向調査(2024年1-3月期報告書)」が重要な指標となります。

同調査によると、訪日前に最も期待されているのは「日本食を体験すること」であり、回答者の82.9%がこれを挙げています。実際、観光客の98.0%が滞在中に日本食を喫食しており、中でも肉料理、ラーメン、寿司の満足度が際立って高い結果となりました。買い物に関しては、菓子類(72.6%)が最も人気で、次いで食料品・飲料、衣類、医薬品・化粧品が支持されています。

図2. 観光客が訪日前に期待していたこと。

2. グローバル市場での成功事例

訪日観光客が日本に求めている価値は、まだ日本を訪れていない人々が潜在的に求めているものと共通していると推測できます。これはジョージアにおいても同様です。つまり、海外で成功を収めている日本企業のフランチャイズ(FC)は、まさに観光客が求めている価値を現地で提供していると言えます。

実際、北米や東アジア市場に参入している日本企業のうち、寿司、ラーメン、焼肉などの飲食店や、大手菓子メーカー、コンビニエンスストア、アパレル、医薬品・化粧品ブランドは大きな成功を収めています。例えば、東アジアでは「一風堂(ラーメン)」や「スシロー(寿司)」、「無印良品」や「ユニクロ(衣類)」、「資生堂(化粧品)」などが圧倒的な存在感を示しています。

3. ジョージア市場の現状とポテンシャル

現在、ジョージアに参入している大手フランチャイズは主に米国企業です。McDonald's、Wendy's、KFC、Dunkin' Donutsなどの飲食店は、進出以来、安定した経営を続けています。また、最近ではStarbucksも参入し、ジョージアにおける大手FCの一角に加わりました。現地報道によれば、Starbucksはジョージア国内で約50店舗の展開を予定しています。

ジョージアにおけるフランチャイズの収益性は非常に高いと考えられます。一例として、ジョージア市場におけるMcDonald'sの純利益(2023年〜2024年)は以下の通りです。

  • 2023年:3,010万 GEL

  • 2024年:3,160万 GEL

McDonald'sは90年代から参入しているため、新規参入企業が即座に同規模の利益を上げるのは容易ではありませんが、この数字は「ジョージアでのフランチャイズ展開が大きな利益をもたらす可能性がある」という見解を十分に立証しています。

他の外資系企業も好成績を収めています。例えば、比較的後発のWendy'sは2025年時点で21店舗目を開店し、Dunkin' Donutsのジョージア・フランチャイズは、欧州で最も優秀なフランチャイズの一つとして高く評価されました。

しかし、これほど旺盛な成長と需要があるにもかかわらず、これまで日本企業のフランチャイズがジョージア市場に本格参入した事例はほとんどありません。現状、ジョージアで日本食を望む消費者は、日本食を模した現地資本の店舗(非公式な店)を選択せざるを得ない状況にあります。

以上の状況は、日本企業がジョージアへフランチャイズ参入することが、十分な利益をもたらす可能性を示唆しています。

4. 外貨獲得による利益の最大化

ジョージア進出には、もう一つの大きな利点があります。それは「外貨(ラリ)の獲得」です。2021年以降、日本円の為替レートが下落し円安が進んだことで、外貨収益の重要性は増しています。

図3. 2021からの米ドル・日本円の為替レート。

対照的に、ジョージアラリ(GEL)は日本円とは逆の推移を見せています。2021年はコロナ禍の影響で下落したものの、その後は力強く推移し、現在は1USD=2.70GEL前後のレートを維持しています。強い通貨であるラリで収益を上げることは、日本企業にとって極めて合理的な戦略と言えます。

図4. 2021年7月からの米ドル・ジョージアラリの為替レート。

5. 結論:参入の好機

現時点では、世界情勢の影響によりジョージア国内の物価(特に食料品価格)が上昇傾向にあります。一方で、賃金の中央値の上昇がそれに追いついていないという課題もあります。しかし、ジョージアは経済発展の途上にあり、将来的にはGDPの成長とともに賃金水準も確実に上昇していくことが予想されます。

以上のデータから、ジョージアでのFC設立はリスクが比較的低く、期待値の高い投資であると結論付けられます。競合他社が少ない現段階で参入し、運営コストを抑えつつ市場を先行獲得することは、長期的には莫大な利益を生む可能性があります。ジョージアでのフランチャイズ展開を検討するには、今がまさに「絶好の時期」であると言えるでしょう。

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