ジョージア不動産購入時にかかる税金:費用の解説
はじめに
ジョージアでの不動産購入は、驚くほどシンプルです。面倒な手続きはほとんどなく、必要な書類を揃えれば、数時間以内で物件の所有者になることができます。実際、世界銀行が発表する「ビジネスのしやすさ」ランキングでは(英語で:Ease of Doing Business)、ジョージアは2019年に世界第7位に選ばれています。
さらに、多くの外国人投資家を驚かせるのが、不動産にかかる税金の低さです。本記事では、ジョージアで不動産を購入する際に知っておくべき税制やその他の費用について、わかりやすく解説していきます。
参考文献: Ease of Doing Business rankings
印紙税・購入時の税金について
多くの外国人投資家にとって意外かもしれませんが、ジョージアでは不動産購入時に印紙税やそれに相当する税金は一切かかりません。つまり、実際に支払うのは物件の購入代金のみで、その他の関連費用は非常に低く抑えられています。
物件の登記手続きにかかる費用も、処理スピードによって異なりますが、わずか50〜350GEL(約20〜120米ドル)ほど。しかも、追加費用や隠れたコストはありません。
参考文献: National Agency of Public Registry - 物件の登記
年間不動産税
ジョージアの年間不動産税は、物件の所在地(自治体)と世帯年収によって異なります。ジョージアの税法(第XXIX章および第IX章)によると、年間不動産税の上限は評価額の1%ですが、多くの場合、それよりもはるかに低くなっています。
世帯年収が40,000GEL未満の場合、不動産税は非課税となります。
40,000GEL以上100,000GEL未満の場合、税率は評価額の0.05%~0.2%の範囲です。
100,000GEL以上になると、税率は0.8%~1%の範囲になります。
このように、所得に応じた段階的な課税システムにより、他国と比較しても投資家や居住者にとっての税負担は非常に軽く抑えられています。
参考文献: Revenue Services
不動産税の支払い時期と方法
ジョージアの不動産税申告の締切日は毎年10月1日です。毎年1回、その年の終わり以降に、ジョージア歳入庁(Revenue Services)のウェブサイトで年間の不動産税申告を行う必要があります。
ウェブサイトへのアクセス権は、歳入庁の支店に直接訪問して申請することで付与されます。また、委任状(Power of Attorney)を通じて代理人に手続きを依頼することも可能です。
申告後、ジョージア国内のご自身の銀行口座から、国庫の指定口座(口座番号:101001000)へ送金することで、不動産税の支払いが完了します。
参考文献: Georgia Tax Facts, Report by BDO
賃貸収入にかかる税金
ジョージアでの不動産賃貸による収入には、賃貸先が個人か法人かによって異なる税率が適用されます。以下、それぞれのケースについてご説明します。
個人に賃貸する場合
ジョージアに所有する不動産を個人に対して住宅目的で賃貸する場合(長期・短期を問わず)、その賃貸収入には一律5%の所得税が課されます。
この場合、経費の控除は認められていません。たとえば、物件の維持管理のために支出した費用があっても、それを差し引いた額に対して課税されるのではなく、賃料収入全体に対して5%の税金がかかります。
なお、登録を行えば、所有する住宅用賃貸物件の数に制限はなく、すべて5%の優遇税率の対象となります。
法人に賃貸する場合
不動産を法人に対して(主にオフィスなどの用途で)賃貸する場合、賃貸収入に対して20%の所得税が課されます。
この場合は、必要経費を控除することが可能で、最終的に残った所得に対して20%が課税されます。
参考文献: Tax Code of Georgia
キャピタルゲイン税(譲渡益税)
購入から2年以内に不動産を売却した場合、得られた譲渡益には5%の所得税が課されます。
一方、購入から2年を経過してから売却する場合、キャピタルゲイン税は一切かかりません。
オフプラン物件に投資する際は、開発会社から物件が引き渡され、登記簿に自身の名前が登録されるまでは、正式な所有者とはみなされない点にご注意ください。キャピタルゲイン税の計算においては、登記が完了した日が所有開始日として扱われます。
不動産売却による所得税の申告と支払い方法
不動産の賃貸または売却によって得た所得の申告期限は、毎年4月1日です。つまり、該当する年の終了後、3か月以内に申告と納税を行う必要があります。
物件税と同様、ジョージア歳入庁(Revenue Service)のウェブサイト上の個人ページからオンラインで申告を行います。アクセス権は、歳入庁の支局に出向くことで取得可能です。また、公証された委任状を通じて代理人に依頼することも可能です。
申告書を提出後、ジョージア国内の自身の銀行口座から、国庫の口座(口座番号:101001000)へ正確な金額を送金することで納税が完了します。
ジョージアにおける不動産オーナー向けの付加価値税(VAT)
ジョージアでは、過去12か月間の売上が10万ラリ(GEL)を超えた事業者は、VAT(付加価値税)の登録が義務付けられています。
では、不動産事業の場合はどうでしょうか?
答えは「はい」でもあり「いいえ」でもあります。以下の2つの場合に分けて説明します。
場合1:賃貸による収入
過去12か月間の賃貸収入が10万ラリを超えた場合、個人であってもVAT課税業者としての登録が義務となり、賃料収入に対してVATを支払う必要があります。
場合2:不動産の売却
不動産を売却する場合、その活動が事業として継続的に行われているかどうかがポイントとなります。
つまり、物件の購入と売却をビジネスとして行っている場合のみVATの対象となります。
一方、個人が自身の保有物件を売却する場合は、VAT登録・納税義務は発生しません。
VATの税率はいくらですか?
ジョージアにおけるVATの税率は18%です。
VATの申告・納付方法は?
VATの申告期限は毎月15日であり、物件税や個人の所得税とは異なり、毎月の申告・納付が必要です。
申告はこれまでと同様に、ジョージア歳入庁(Revenue Service)のウェブサイトにある個人ページから行います。
アクセス権は、歳入庁の支局に出向くことで取得できます。また、公証された委任状を通じて代理人に申告を依頼することも可能です。
申告書の提出後、ジョージア国内の自分名義の銀行口座から、国庫の指定口座(口座番号:101001000)へ正確な金額を送金することで納税が完了します。
参考文献: VAT Portal on Digital Services
その他の費用について
ジョージアで不動産を購入する際には、税金以外にもいくつかの費用が発生します。
特に遠隔地からの購入やエージェンシーサービスの利用を検討している方にとっては、これらの費用を事前に把握しておくことが重要です。
法的手続きにかかる費用(リーガルフィー)
これには以下のような法的確認および契約手続きが含まれます(※これに限られるものではありません):
デューデリジェンスの実施および契約書手続き
不動産登記簿(Extract)の最新化
売主の経歴確認(債務者リストへの登録状況、その他の不動産保有状況、ジョージア国内の法人株式保有状況など)
物件の基本情報の確認(所在地、面積など)
物件に登録されている法的制限の確認(抵当権、担保権、差押え、その他制限・義務など)
第三者が契約書に署名する場合、その者の委任状の有効性の確認
Prime Managementのサポート体制
当社 Prime Management LLC では、ジョージアでの不動産購入にあたって、明確なステップと整備されたサポート体制をご用意しています。
初めてジョージアの不動産を購入される方でも、安心してスムーズに進めていただけるよう、プロフェッショナルによる包括的なサポートを提供しております。
よく利用されているサービスについて
当社 Prime Management LLC が提供するサービスの中で、特に人気の高いものは以下の2つです。
不動産購入サポート
物件購入時には、以下のステップに沿って当社が手続き全体をサポートいたします。ご依頼内容により費用は変動しますが、基本的なサービス料金は2,000米ドルからとなっています。
お客様ご自身で物件を探される場合:
- デューデリジェンス(権利関係調査等)サポートのみの場合:2,000米ドル
- 契約書作成等のサポートを含む場合:3,000米ドル物件探し(物件選定)も当社にご依頼いただく場合:
- サービス費用は物件価格の3%(ただし最低金額は3,000米ドル)
参考文献: サービス・料金表
サポート内容の一例:
物件視察ツアーのアレンジ
デューデリジェンスの実施
a.) 物件評価なしの場合
b.) 物件評価ありの場合物件購入手続きの立会・サポート(購入仲介)
滞在許可申請を希望される方へのサポート
ジョージアで不動産を購入されたうえで、投資ビザ(居住許可証)の申請も希望される方には、以下の手順でサポートを提供しております。
投資ビザ申請には物件評価(Appraisal)レポートの取得が必須となりますので、あらかじめご承知おきください。
物件視察ツアーのアレンジ
デューデリジェンスの実施(物件評価付き)
物件購入手続きの立会・サポート(購入仲介)
滞在許可申請手続きの代行・支援
物件の状態や広さによって、インスペクションや評価にかかる費用は変動します。
簡易なチェックであればサーベイヤーによる目視点検が行われ、構造や設備まで含めた詳細な調査が必要な場合は、経験豊富な土木技師によるインスペクションとレポート作成が実施されます。
これらの手配はすべて、Prime Management LLCがサポートいたしますので、安心してご利用いただけます。
また、物件の評価(アプレイザル)は、政府認可の評価士によって行われ、評価書は不動産投資を通じた滞在許可申請など、正式な資産価値の証明が求められる場面で活用されます。
仲介手数料(Sales Agent Fees)
不動産購入時に発生する費用の中でも、仲介手数料は最も大きなコストとなる場合が多いです。
この費用は売主(オーナー)から販売エージェントへ支払われるものですが、実質的には購入者が負担していることがほとんどです。というのも、仲介手数料はあらかじめ物件価格に上乗せされているため、その分購入価格が高くなっているためです。
このように、購入者にとっては気づきにくい隠れたコストでありながら、実際にはかなりの負担となることがあります。
ジョージアでは、一般的な仲介手数料は物件価格の3%程度です。
おわりに
ジョージアでは不動産にかかる税金が比較的低く、外国人でもスムーズに物件を購入できる環境が整っています。しかしながら、購入手続きが簡単に見えても、実際にはさまざまなリスクや注意点が存在し、これらを正確に理解し適切に対応することが重要です。
母国語で手続きや制度を理解できることは、不動産購入において非常に大きな安心材料となります。また、信頼できる管理会社の存在は、安全かつ収益性の高い資産運用の鍵を握ります。
Prime Management LLCでは、日本人のお客様向けに日本語でのサポートを提供しており、物件選びから購入、管理までのあらゆるステップを丁寧にサポートいたします。
資産を守り、しっかりと収益を生み出す不動産投資を実現するために、ぜひ一度ご相談ください。ジョージアの不動産について詳しく知りたい方は、個別相談をご予約のうえ、お気軽にお問い合わせください。