高利回り=良い投資とは限らない!賢い不動産投資の選び方
はじめに
不動産投資でよくある落とし穴と、賢い物件選びのポイント
不動産投資を検討する際、「利回り」は必ずと言っていいほど注目される指標です。
しかし、利回りが高いからといって、その投資が本当に価値あるものかどうかは別問題です。
高利回りの“罠”
初心者の投資家ほど、「利回りが高ければ儲かる」と思いがちです。
その結果、以下のようなリスクに巻き込まれるケースが少なくありません:
現実離れした高利回りをうたう詐欺商材に引っかかる
安かろう悪かろうの物件をつかまされ、結局損をする
なぜ高利回り=危険な場合があるのか?
一般的に賃料利回りは、年間家賃÷ 購入価格で計算されます。
つまり、安く物件を買えば利回りは自然と高く見えるのです。
しかし実際には、
古くて劣化が早い物件
修繕費や管理コストが高い
金融機関からの担保評価が低く、融資がつきにくい
といった問題が隠れているケースが多く、想定していた利回りを大きく下回る結果になりかねません。
高利回りエリアのリスク
さらに、次のような傾向もあります:
地方の物件ほど利回りが高く見えるが、そもそも借り手がつかない
→ 空室リスクが高く、最終的に「低利回り物件」に変わってしまう可能性も。治安が悪いエリアほど利回りが高い
→ 滞納リスク、トラブルリスクが増え、精神的・金銭的な負担が大きくなる。競争過多のエリアでは家賃相場が下がりやすい
このように、「数字上の利回り」だけを優先して物件を選ぶと、見えないリスクが膨らみやすくなるのです。
なぜその物件は安いのか?
「相場よりかなり安い!」という物件には、必ず何か理由があります:
建物の質が悪い
開発業者が信用できない
法律・ゾーニング上の問題を抱えている
将来売却しにくい
需要が極端に少ない
“安いから”ではなく、“なぜ安いのか”を冷静に判断することが大切です。
本当に注目すべきは「成長性」
短期的な家賃収入だけでなく、中長期的な資産価値の上昇こそ、長い目で見たときの投資成果を左右します。
たとえば:
表面利回り5%の物件を5年保有すると、家賃収入だけで投資額の25%を回収できます。
同時に物件価格が年5%ずつ上昇すれば、資産価値も大きく増加する。
金融機関の担保評価も上がり、リファイナンス(借換)や追加融資が可能になる。
つまり、利回りだけを追うよりも、“価値が上がる物件”に投資する方が、結果としてリターンが大きくなるのです。
いい場所・いい建物を選ぶ
利回りが多少低くても、「将来的に上昇しやすい立地」にある物件を選ぶ方が賢明です。
一等地 × 成長エリアのメリット:
景気後退局面でも価格が下がりにくい
良質なテナントがつきやすい
空室リスクが低い
賃料・資産価値の上昇が見込める
一方で、三等地の物件ほど価格が落ちやすく、業者は利回りを高く見せて売ろうとする傾向があります。
「利回り」と「成長」のバランスがカギ
どちらか一方に偏る投資には、それぞれリスクがあります:
成長性だけに頼る → 家賃収入がないため、キャッシュフローが不安定
利回りだけに頼る → 資産価値が増えず、将来的な資産形成が困難
だからこそ、家賃とキャピタル(成長)のバランスが取れた投資を目指すことが重要です。
特に、成長初期のエリアでは両方のリターンが得られる可能性が高く、理想的な投資先と言えます。
参考文献: Rental Yield vs Capital Growth
終わりに
バランスこそが最良の戦略
将来の資産を大きく左右するのは、高利回りの物件ではなく、適正利回りで、成長する立地の物件を保有しているかどうかです。
高利回りを追いかけすぎない
安さに惑わされない
タイミングと立地を見極め、バランスを意識する
短期の数字にとらわれず、中長期的な資産形成を見据えた投資戦略を持つことが、成功する不動産投資の鍵になります。